大学生が夏休みにリゾバしてみたって話

 

 

働く前

リゾバってよく聞くけど、なんか怪しそう、ブラックっぽい、大変そう、みたいなイメージ。

実際「リゾートバイト」と検索すると、候補には「現実」「やめとけ」「ブラック」「やりもく」といったネガティブなワードが出てくる。

とはいえ、自分も実際やってみるまではそんなイメージしかなかった。

バイトって、言ってみれば労働なのに、「リゾート地で遊べるよ!」っていう楽しそうな雰囲気が、「簡単なお仕事×高収入」を謳う怪しげなバイトと同じような響きがするのも大きな一因だと思う。

 

そんな印象しか持てなかった自分がリゾバをやろうと思ったのは、純粋に短期間にガッと働いてまとまったお金が欲しかったから。

だから別にリゾバでなくても短期バイトであればどこでもよかった。でもそれを手っ取り早く見つけられて、かつガッツリ稼げそうだと思ったのがリゾバだった。

たとえブラックだろうと、短期であれば何とかなるだろうという楽観的な気持ちもあった。

 

とりあえずgoogleで「リゾバ」と検索すると、求人サイトやら体験談やら色んなウェブサイトが出てくる。

それらをもとに良さげな求人に早速応募してみると、すぐに電話やメールで返信が来て、自分のプロフィールや希望職種について聞かれる。

何回かそのキャッチボールを済まして、問題なければそのまま採用。

「ん?早すぎん?」と正直思った。

直接会って面接することも、ズームで顔合わせすることも何もなく、電話とメールで完結。

 

仕事スタート

爆速で決まっただけに不安も大きかったが、スーツケースに荷物を積み込んで新幹線でホテルに向かう。

リゾバのすごいところは、リゾート地にあるホテルまでの交通費を全額支給してくれるところ。(最大〇万までと上限はあるが)

そこまでしてくれるのはなんでだろうと考えた結果2つ思い浮かんだ。

1つは純粋にリゾート地周辺に住んでいる若者が少ないために遠くから呼んでこざるを得ない人手不足的な理由。(実際周りはホテルと別荘ばかり)

もう1つはアルバイトのバックレを防ぐため。交通費は最終日に渡されるので、途中でバックレても交通費は全額実費。となるとバックレるハードルは一段と上がる。

ともかく人のお金で新幹線に乗るのは最高に気持ちがいい。

ホテルに到着すると、契約を書面で交わし、説明を受けた後、人によってはそのまま勤務開始。自分は次の日からだったので寮で休憩。

 

寮は築数年だったので全体的には綺麗だった。

4畳あるかないかぐらいの個室(あるのはベッドと布団のみ)があてがわれ、その個室が10近くがユニットになっている。

個室とはいえ風呂トイレ共有の寮だったので、そこを使うしかないのだが正直汚い。(笑)

掃除の人が来てくれるわけでもないし、見ず知らずの人が使っているトイレや風呂を掃除したいかと言われたら答えはNO一択だ。

しかも掃除機しか道具はなく、自費で用意する必要があるとなればなおさらだ。

だから、スリッパを持ってくればよかったと強く思った。(床の髪の毛やほこりを避けるため)

壁も薄く、周りの部屋の音が0.8倍で伝わってくる。

良かったのは、部屋の窓から見える景色がきれいだったのと、光熱費を気にせず暮らせたこと。(一部の求人では光熱費が自己負担の場合もあるようなので要注意)

 

住まいに引けを取らず、食事も大切だ。

一日三食全て無料で出してくれるホテルもあれば、毎食数百円徴収される場合、食堂ではなく弁当のみ支給の場合など、勤務先によって差が出るポイントだ。

今回働いたホテルでは「一日二食従業員食堂にて無料で提供。休みの日も同様」だったので、朝ご飯のみ自分で準備するという形だった。(地味に面倒)

ホテルの残飯でも何でもなく、普通の従業員食堂で作られた熱々のご飯を無料で食べられたのは良かったし、味も美味しかった。

ただ、食堂が狭く混雑する時間にいくと座る席がないほどだったので、16時台など空いている時間にご飯を食べていた。

 

そして一番大切な仕事の話。

今回自分が希望したのは厨房での調理補助。

接客はなんやかんや一番疲れると個人的には思っているので、裏方で、かつ洗い場や掃除のような激しめでない仕事となると、調理補助しか残らなかった。

最初の数日は正直きつかった。

何がきついかというと、飲食特有のピーク時の忙しさもさることながら、調理器具の場所や仕事を覚えることだった。

当然だが調理にはいろんな食器や道具を使っているし、ホテルのメニューは多いので色んな品を作る。

そのメニューは短期間にごそっと変わるわけではないので、いったん覚えてしまえば簡単だが、覚えるまでが大変だった。(あ、そのお皿ってどこにあるんでしたっけ?)

しかも調理師学校に通っているガチ勢バイトが結構いて余計に焦った。自分は家で自炊していただけのド素人というのに。

彼らからするといい実践練習になるらしいが、こちらからするといいプレッシャーだった。

包丁を使って肉を切ることもあったが、基本的にはハムや野菜の盛り付けを大量にしたり、ケーキに飾り付けしたりと、作業自体は慣れると簡単だったし、社員の方との雑談を楽しみながら仕事ができるようになった。

 

あと一つきつかったのは早起きだ。

シフトにもよるが、自分は6時から16時まで(そのうち2時間休憩)というパターンだったので、朝5時には起きる必要があった。

普段7、8時に起きる人間が急に5時起きになるだけでも大変というのに、寮は夜遅くまで働いた他のアルバイトの生活音で睡眠が妨げられる。

しかも朝ご飯はでないから自分で準備しないといけない。(最寄りのコンビニ徒歩20分…)

 

とはいえ、振り返ってみれば厨房でよかったと思っている。

笑顔で振る舞う必要もなければ、髪の毛をホテル仕様に固める必要も、髭を剃る必要もない。(実際髭を伸ばしたまま5連勤していた、、)

淡々と食材に向き合い、手を動かし続けるだけだ。

イレギュラーなことも起きないので、残業も一切なかったし、早く仕事が終わる分、終わってから部屋でのんびりすることができた。

 

ただ、厨房は一部の人にはおすすめできない。

それは出会いを求める人だ。

確かに厨房には同じようなアルバイトもいるものの、基本的にシェフとペアで仕事をすることが多いので横の関わりが少ない上、どちらかというと少数精鋭でやっている。

対して、フロントやベルといった男女一緒に大人数でやっている場所では、まるで大学一年の春のように、連絡先を交換して楽しそうにワチャワチャしていた。

出会いも求めてリゾバをする人も少なからずいると思うので、そういった人は表に出る華やかな職種のほうが異性との交流も盛んでいいのかもしれない。

逆に純粋にお金を稼ぎたいという人、異性との交流も不要という漢には厨房を全力でオススメしたい。

 

結局このホテルでは20日近く働いた。(そのうち4日ほど休み)

時給は1400円で一日8時間労働だったので一日1万以上稼げた。

だから合計で十数万もらうことができた上、出費もほとんどなかったのですごくコスパのいい仕事だと思うし、気楽だった。仕事は確かに大変だけど、家事もしなくていいし、ご飯も勝手に出てくる。だから休みの日は本当に何もしなくていい完全なるオフだった。

リゾートバイトというだけあって、海や山を楽しめるスポットにホテルがあるものの、電車やバスがなかったりとかなり不便だったので(客は車で来る)、できるだけ便利なロケーションにあるホテルで働くほうが休みの日もお出かけしやすくていいのではないかと思う。(コンビニまで20分も歩かなくていいし、、)

 

まとめ

ここまでつらつらと書いてきたが、一言でまとめると「リゾバはガチャ」だ。

自分は今回割といい職場で働くことができたし、サービス残業もなければ冷え切った弁当しか支給してくれないということもなかった。

でも、ホテルによっては劣悪な環境で働かされることもあると思うし、光熱費を自己負担させられるかもしれない。

だからもしこれからリゾバをやろうとしているのであれば、「リゾバ自体は全然ありだけど、ホワイトな求人を選ぼう」と言いたい。

いい求人は当然すぐに埋まるので、やると決まればすぐに調べてみることをおススメする。

また、万が一ガチャに失敗する可能性を考慮して、最初から2カ月などの長期を選ばずに数週間の短期で働くのもありだと思う。

リゾバは皆初心者ばかりで、職場に長くいる他のアルバイトにマウントを取られることもないし、短期と分かっているので人間関係も楽だった。

住み込みしてまでお金が欲しい人もそんなにいないのかもしれないけど、とにかく短期でお金を稼ぎたいという人にはオススメ。

以上長々と失礼しました。

(もっと寮や食堂の写真を載せたかったがホテルのコンプラ厳しそうだったので断念)