長らく街中の店は営業自粛していたが(一部パチンコ店除く)、緊急事態宣言の解除に伴って一斉に再開し始めた。
その営業自粛期間中、飲食店などを中心に「至る所の」店が「お金が入らずやっていけない」と悲鳴を上げていたように見える。
それを一部の人間が「自粛と補償はセットだろ」と叫び、政府の対応を批判していたのは周知であると思う。
しかし、このコロナによって皆が貧乏になったかと言えばそうではないだろう。
テイクアウトを活用したり、いわゆる「巣ごもり消費」によって売り上げが伸びた企業もごまんとある。
ZOOMはまさにその典型だ。
矢沢永吉さんはかつてインタビューの中で、
「いつの時代だって、やるやつはやる。やらないやつはやらない。」
と言っていたが、この状況でも全く同じことが言えるだろう。
・・・と、こんなことを思いながら藤原新也著の『東京漂流』を読んでいると、
その中でV・バッカードが著書『消費を作り出す人々』で分類した、「大衆の消費を刺激する10の戦略」が紹介され興味深かったので、ここに改めてまとめてみたい。
①捨てさせる
(例:100円ライター、1000円時計)
②無駄遣いさせる
③贈り物にさせる
(例:父の日セール)
④蓄えさせる
(例:洋酒ビン)
⑤抱き合わせ商品にする
(例:カメラとカメラケース)
⑥きっかけを与える
(例:読書週間・虫歯予防デー)
⑦単能化させる
(例:専用ビタミン剤)
⑧セカンドとしてもたせる
(例:別荘、セカンドカー)
⑨予備を持たせる
(例:タイヤ)
⑩旧式にさせる
どうだろうか。
ちなみにバッカードはその本を1961年に出版しているので、既に60年近く経っていることになる。
それにも関わらず、これらの戦略は色褪せているどころか、現代にも当てはまるものばかりで本当に驚く。
そして、その戦略にまんまとはまっている自分がなんだか情けなくなる。(笑)
あらゆる不要不急の自粛によって、「消費」は随分と制限されたように見える。
かつてNHKの番組で、日銀の元幹部が「人間の欲望は限りない」と発言していたが、ある意味「欲望ドリブン」の「消費」もその通りだとすれば、これからの経済活動は悲観する必要はないのかもしれない。
ではまた。