Be a Kangaroo

カンガルーのように、いつだって前向きに生きたい

その先には何があるか


最近家のWiFiが弱い。

特に土日の夜はひどい。

この前、3時間の映画(シンドラーのリスト)をネットで見ることがあったが、半分の1.5時間見るのに3時間もかかってしまったので、馬鹿らしくなり最後まで見るのを諦めてしまった。

 

WiFiなんて、自分がもっと幼くてスマホもパソコンも持っていなかった頃は全くどうでもよかったのに、今となってはWiFiがないと生きられない、みたいな状態になっている。

スマホも必須だ。


生まれたときにへその緒は切られたはずだ。

だけど、いつの間にか新たなへその緒がついている。現代人特有のへその緒が。

 

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金融の世界では、高頻度株取引(HFT)というものがあるらしい。

 

HFTでは、売買取引を人間が担うのではなく、コンピュータが圧倒的なスピード(1000分の1秒)で取引を繰り返し、より多くの利益を出そうとする。

まさに「高頻度」な株取引だ。

 

しかし、これはコンピュータの性能や通信回線が物を言う。

たった1000分の1秒の差が結果を分けるのだ。

だから、他社よりわずか1000分の1~3秒速い情報伝達と取引を求めて、取引所に近い土地を買収したり、トンネルを掘ってまで通信用ケーブルを敷設する。

もっとも、HFTはリーマンショック前後から盛んになったものであり、今でもあるのかは分からない。

しかし、人工知能や技術のさらなる発展によって、今では1000分の1秒よりはるかに短いスパンで壮絶な争いが行われていることは確かだろう。

 

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WiFiや5Gのような通信技術に限らず、様々な分野で「遅延」、「待つ」というのは「無駄」と置き換えられ、それを無くすべくスピードがさらに追求される。

しかし、それによって余った時間を何に使う。

スマホをいじるか、ぼーっとするか、その程度だ。

なぜ、何のためにそんなに急ぐのか。

結果。答え。反応。商品。目的地。快楽。

赤信号が前に見えているのにアクセル全開で走るハイエース

すき家で牛丼が出てくるのを腕を組みながら待ちわびる客。

僕はそこに焦りを見る。

 

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『大学という理念 絶望のその先へ』(東京大学出版会)の中で、近代は「臨界」を迎えようとしている、と筆者の吉見俊哉は指摘する。

筆者によれば、

近代で生活がスピードアップしてきたが、少子高齢化や市場の飽和、気候変動など、日本や他の国々が今抱える課題はどれも社会の高速化に相反する。

これは近代が「挫折」しているのではなく、近代が成熟し、「臨界」に届こうとしていることの証左である。

それらの社会的課題は単なる効率化や技術革新などでは解決することができず、生活をスローダウンしながら、これまでの経済的拡張とは別の価値を見つける必要がある。

 

と論じている。


「臨界」を迎えるのが先か、新たな価値軸を見出すのが先か。


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急ぐ理由もはっきりしていないのに、どうせ明日も急ぐ。

陸上で言うなら、今日は「追い風参考」 

明日も、明後日も。



最近WiFi6という新たな規格も出て、スピードもかなり速くなっているようだが、それはしばし保留としてみよう。